ライダーの神戸星竜です。今回は、カービングターンの流れの中でB3(バックサイド360 )のやり方を解説します。
カービングターンをメインとしたフリーランが好きな方でこれからグランドトリックも挑戦したい方におすすめのハウツーです。ご参考までに!
目次
バックサイド360のやり方
基本的にはオーリーB3です。高速域のカービングターン中に打つこともあり、板の前から後ろに大きく重心を移動させてオーリーするようなことはしていません。バランスを崩しやすいからです。板の中心に重心を置いています。
板はメタルボードでフレックスやトーションが硬めなので板がはっきりとしなっては見えませんが、打つとき最初の一瞬ノーズを浮かせてからすぐにテールを高く上げることで滞空時間を得て安定させています。
1. トリックの入り
ヒールサイドターンのときに、打つ場所やトリックをイメージしましょう。ターンのラインは深周りしすぎないようにしますが、逆にヒールとトウのターンが浅すぎると急斜面では落とされやすくなりカービングターンの流れが途切れます。
2.先行動作のためのタメをつくる(テイクバック)
切り替え後、足場ができたらテイクバック(※)。
タメのピークです。
3. 踏み切る位置と先行動作
打つときは、ターンピーク・板がまっすぐ(谷方向)だと高さが出しやすくなります。
目線と肩と腕を回転方向に先行させてから踏み切ります。
4. 踏切き後から着地まで
テールをしっかりと持ち上げてできるだけ板は平行に回します。
グラトリの滞空時間は短いので回転力が足りないときは上半身を回転方向の反対に回して着地を合わせます。
5. スピードを維持した着地
360に少し足りない位でヒールエッジで着地します。雪面に踏み込んで回転力を抑えます
バックサイド360のポイント
先行動作のためのタメの作り方
(※) テイクバックは、トリックの回転方向とは反対向きに上半身を回します。この動作は足場を作らないと強くいれるのは難しいです。ここでの足場とは板がズレにくい状態のことでカービングターンをすると作れます。板がフラットの状態ではズレやすいです。緩斜面で低速のときはエッジを噛ませるという方法もあります。
ただし、必要以上にエッジを立ててしまうと軸が入りやすくなり、フラットに板を回すのが難しくなります。
B1との違い
B1(バックサイド180)のときよりも先行動作を大きくして、打つときはB1より強く早く目線と肩と腕を先行させてまわします。
練習方法と注意点
できるだけ易しい条件で安全に
最初は緩めのバーンでスピードを出しすぎないようにして、できれば板も短くて柔らかい板で練習したほうが良いです。雪は硬すぎず柔らかすぎないときがベストです。
まずは、ほとんど板を浮かせないドライブB3から練習しましょう。そのとき、タメと上半身の先行と着地を意識してください。
着地は、トウサイドで着地すると回転力の調整ができず危険なので、フラット着地・360以上は回さないようにしてください。またトウエッジで着地するとそこで回転力をトウエッジで止めるので減速しやすくなります。270°くらいの着地で残りの90°は回転力を抑えるのに使いましょう。
回転不足となる原因
空中姿勢が悪いか、高さがない場合があります。
しっかり回転方向に上半身を先行させてから打ち、空中にいるときはできるだけ長く上半身と下半身のひねりをなくします。
なぜそうすると良いのでしょうか?着地のときを思い出してみてください。上半身を反対にひねって合わすと説明しましたが、たしかにひねった瞬間は下半身が回転方向に回るので着地で回転が足りない時は一時的に多く回ります。ただ早いうちにひねってしまうと回転方向と反対に上半身がひねられた状態となり、下半身は戻ろうとする力が働き、腕の分だけ回転半径が大きくなるので回転力を失ってしまいます。
フィギュアスケートの高回転をイメージしてください。エネルギーが同じなら回転の半径が小さい方が速く回るので、ひねりがない状態で腕を縮めて回しています。
この説明で分かりにくい方は「スノーボードのシフト」を見るのが一番分かり易いと思います。空中で足場がなくても上半身をひねることで板を90回すことができますが、その後に戻ろうとする力が働きます。
高さがない場合は、テールが持ち上がっていないことが多いので、先行動作で後ろ肩をあげるようにすると持ち上がりやすくなります。